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道場の日常! No.1

登場人物

サブちゃん


本名は佐渕 誠。
しがないセールスマンだったが、武井師範との出会いを機に大きな変化を遂げる。

武井道場訪問

By佐渕誠ことサブ

僕はもんもん解消グッズを売っている会社のセールスマンである。
今日は、別名もんもん道場と呼ばれている武井道場にやってきた。
「こんにちは! もんもん一発解消セールスの佐渕です!」
大きな木製の扉の横についているチャイムを押して、僕は声をはりあげた。

通された板張りの部屋で緊張している僕の目の前に、大きな人が座った。
目の細い人で、にこにこと楽しそうな笑みを浮かべている。
「どうも、この道場の主です。よろしく」
差し出された手は、あたたかくて力強かった。

「もんもんとした気持ちって、誰でも持つもんでしょう。自分も高校生の頃は何がしたいかわからなくてもんもんとしたし、今だってよくありますよ」
「え、師範でもですか?」
驚く僕に、師範は当たり前のように言った。
「もちろん。今、芝居をやってるんだけど、これでいいのかとか、もっとおもしろい見せ方があるんじゃないかとか、考え出すときりがない」
「それじゃあ、こんな商品はどうですか?『もんもんリフレッシュドリンク!』
これを飲めばもんもんなんて一発で吹き飛びますよ!」
僕は急いで手持ちのかばんから深緑色のビンを取り出した。
「もんもんが吹き飛ぶの?」
「ええ! もんもんなんてしんどいし、不安だし、よくわからないし、そんなものないほうがいいでしょう?」
「……そうかな」
武井師範は首をかしげた。
「自分はもんもんを無理になくす必要はないと思うけど」
「どういうことです?」
今度は僕が首をかしげる番だ。
「もんもんとしてるときって、普段よりいろいろなことを考えるでしょ?」
まあ、たしかに。
「芝居の話で言うとね、『これが正しい』っていうものはないんです。脚本が同じでも演出や役者の持ち味によって全然違うものになる。で、これでいいのかなって悩むけど、だからこそおもしろいんだよね」
「はあー……なるほど」
「大事なのはもんもんとしないことじゃなくて、うまく付き合うことでしょ。もんもんとするのって悪くないよ」
のんびりと笑う武井師範を見ながら、僕はふつふつと情熱がわきあがってくるのを感じた。
「なんだか目の前が開けた気がします。そうですね! 世の中にはもんもんが必要なんだ! 僕はこれから人をもんもんとさせる商品を売っていきたいと思います!」
「え、それはちょっと……」
「失礼しましたあっ!」

そして板の間には武井師範のみが残されたのであった……。

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