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道場の日常! No.2

登場人物

小林 健太


武井師範の1番弟子。
まわりに振り回される悲しい星の下に生まれた。
「なさけない・・・」が口ぐせである。

ジャクリーヌ


本名はジャクリーヌ・島村。
元気のカタマリのようなハーフの女の子。
突然武井道場に現れたその理由は・・・?

ジャクリーヌがやってきた!

By小林 健太

ボクはこの道場の門下生である。
週四日、通っていて、稽古のほかに来客にお茶を出したり、掃除をしたりもする。この道場のまわりには変な人が多いけれど、まあ、居心地はそう悪くもない。

ぴんぽーん。

来客だ。
廊下を掃いていたホウキを置いて、表に出る。
「はい」
扉を開けたとたんに、
「覚悟ッ!」
いきおいよく棒のようなものが飛んできた。
「へっ?」
とっさによけたボクの視界に、かわいらしい感じの女の子と、彼女の手に握られたふとん叩きが映る。
——なんでっ!?
わけがわからない。頭の中が真っ白になった。
女の子は、ふとん叩きをさらに振りかぶる。
「ちょっ……!」
逃げようとした足がもつれた。

ごん。

揺れる視界。後頭部で鈍い音がして、目の前が暗くなっていく……。

目を覚ますと道場の天井が見えた。
なぜ自分がこんな所で寝ているのかわからず、とりあえず体を起こした。
動いたとたん、ずうんと後頭部に痛みが。
——思い出した。
あの時ボクは、ふとん叩きから逃げようとして自分でバランスを崩し、壁に後頭部をぶつけて気絶したのだ。
うわ。な、なさけない……。
軽く落ち込みそうになる。
……それはともかく。
あの後一体どうなったのだろう。

起きると師範の笑い声が聞こえた。
声のほうへ近づいてみると、誰かと親しげに話している師範の後ろ姿が見えた。
なんだろう?
「お、小林くん。スイカを切ったから食べないか? あとこれ見てみて」
楽しそうに師範が振り向いた。
「うえっ!?」
思わず変な声が出た。危なくバランスを崩して倒れそうになる。
「な、なっ…なんで!?」
師範の影に、あの女の子が座っていた。
「小林くん、これこれ。『最初からかどのない消しゴム』に『最後の章がない推理小説』、『一回とけて固まったチョコレート』とか『汗でくっつきやすいノート』だって」
——ちょっと師範。気にする所はそこですか。
縁側に広げられた小物をうきうきと指差す師範と、その向こうの女の子をボクは呆然と見つめる。
「それで、きみ、誰」
「ワタシ? ジャクリーヌ・島村。さっきはゴメンナサイ」
「じゃ……ジャクリーヌ?」
——結局この子なに? 道場破り? でもなんで師範と仲良くスイカ食べてるの。
疑問でいっぱいのボクを置き去りにして、ジャクリーヌは師範に向き直る。
「ワタシ、武井道場に弟子入りします!」
——は? なんでっ!?

そうしてこの日、とんでもない門下生が増えたのだった……。

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